総務省発表の非正規を選んだ理由「自分の都合の良い時間で働きたいから」はウソ?!

私が派遣を選んでいる理由は、派遣26業務だったその職種は、ほとんど派遣の求人しか存在しないからです。まれに正社員の求人がありますが、生活が出来ないほどの低賃金か、正社員型派遣。結局派遣に戻ってしまう私のような派遣社員も多いのではないでしょうか。

先日、「非正規は自分の都合の良い時間で働きたいから非正規を選んでいる」というニュース記事を見ました。フルタイム勤務の非正規社員は、正社員と同じ時間で働いています。何故こんな結果になるのでしょうか。不思議に思い、その調査結果を調べてみました。

非正規は働く時間を自由に選べる?

日本経済新聞の電子版にこんな記事が出ました。

働く時間の自由度を求めて非正規雇用を選ぶ人が増えている。総務省によると、4~6月時点で「都合のよい時間に働きたいから」非正規で働く人は592万人で、5年前から44%増えた。人手不足を受け、賃金が上昇したり厚生年金に加入できたりと待遇改善が進んだことが大きい。企業は働き方改革を急ぐが、非正規・正規ともに多様な働き方の実現にはなお課題が残る。

日本経済新聞 電子版

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPIT)の労働力調査詳細集計でも同様の発表がされています

非正規の職員・従業員が現職の雇用形態についた主な理由は、男性では「自分の都合のよい時間に働きたいから」27.6%(170万人、対前年同期17万人増)、「正規の職員・従業員の仕事がないから」20.8%(128万人、同13万人減)などとなっている。女性では「自分の都合のよい時間に働きたいから」31.0%(422万人、同53万人増)、「家計の補助・学費等を得たいから」23.1%(315万人、同5万人減)などとなっている。

労働力調査詳細集計―4~6月期平均―


パートも含めた非正規雇用者の統計なのでこの結果なのですが、派遣法改正のこのタイミングで、派遣や契約社員が自由を求めているような見出しには疑問が残ります。

この調査のもとになった総務省統計局ホームページの労働力調査を見てみました。

総務省の労働力調査の取り出し方が雑!

総務省の統計データ
“2018 年4~6 月期
続き柄,月末1 週間の就業時間・短時間就業の理由・就業時間増減希望の有無別就業者数
タイム勤務の総数内『非正規・週40~48
作成したグラフを下記に示します

画像1

パート、アルバイトを含む非正規労働者全体では、「自分の都合の良い時間に働きたいから」が1位ですが、フルタイム勤務を示す週40 時間以上勤務の統計では「正規の職員・従業員の仕事がないから」が1位となっています

さらに、派遣労働者に限定した調査結果でも「正規の職員・従業員の仕事がないから」が1 位となっており、「派遣で働くみなさんが希望すれば正社員になれる」という派遣法改正の目的の達成には程遠い現状となっています。

フルタイム非正規に、働く時間の自由度なんてない

この調査結果では「自分の都合の良い時間に働きたいから」非正規社員を選んだと思われてしまいます。非正規格差の問題に向き合うためには、フルタイムとパートタイムに分けて統計を出すことから始めないと、的確な対策は打てないのではないでしょうか。

本当の理由が分かっているはずなのに、あえてパートタイム労働者の回答も一緒にするこの発表には悪意を感じずにはいられません。

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