第11回派遣かふぇレポ

第11回派遣かふぇは、ゲスト無しで わたくしyuraraが ハケン白書2021の解説を行いました。

ハケン白書は作りたいと思いながらなかなか手を付けることが出来なかったことの1つです。

労政審が出した「労働者派遣制度に関する議論の中間整理」の内容があまりにも派遣の実態と乖離していて、派遣社員の視点をきちんと入れた中間整理を作らねばという憤りを原動力に勢いで作り上げたものです。

解説するのに2時間では足りず皆様のコメントをすべて拾うことが出来なかったことが心残りでしたが、改めて「雇用安定措置は雇用安定ではない」ということを伺い共有することが出来ました。

振り返ってみよう

今回もtwitterで「#派遣かふぇ11 」 のタグをつけて実況中継をしてくださった一民衆さんに感謝です。

実況ツイートをもとに振り返りますが内容はハケン白書2021 の読み上げですので省略しています。ハケンの本音がつまっているのでお読みいただけたら幸いです。

派遣かふ開催時は目次が5項目でしたが、2021年に行ったアンケートもまとめて最終的に9項目の力作になりました(笑)
2022年も発行出来るようtwitterもしくはweb上でのアンケートを行ってまいりますので、ぜひご参加ください。

例えば雇用安定措置。
労政審の調査では8割の派遣社員が雇用安定措置の希望を聞かれたと答えていますが、派遣かふぇのアンケートでは3割です。派遣かふぇのアンケートに答えてくれる方は雇用安定措置で希望が叶わなかった人が多く調査結果に偏りがあることは理解していますが、それにしても乖離があり過ぎると感じました。

さらに労政審のアンケートでは「相談はありましたか?」という聞き方になっています。「希望の聴取はありましたか?」という聞き方なら結果が違っていたのではないでしょうか。

このように厚労省の調査は色々と疑問が出るような作りになっていて、これが専門家と厚労省がまとめた中間整理として政府に上げられているのかと思うと切ない気持ちになりました。

ハケン白書では産休代替や現状の派遣法の規制など労政審の中間整理では捕捉出来ない部分を追加のアンケートで補いました。政府は派遣の規制緩和を進めて派遣労働者を増やしたい拡げたいのであれば、ぜめて派遣かふぇと同レベルの実態調査をしてほしいです。
今回はあまり時間が取れませんでしたが参加者から感想や実態をお聞きすることが出来ました。
無期転換したけど契約終了となり短い期間で派遣先を変わっている人。無期転換は決して雇用の安定ではないと言うお話がありました。ですが今の制度上、派遣台帳で見ると彼女は雇用安定措置が済んでいる労働者という扱いになります。

希望していない業界や下がった条件でも紹介される案件のなかから少しでもマシなものを選ぶしかない。もしくは選ぶことも出来ない。案件が無いため給付金など税金事業で2か月更新の業務で生活をつなぐしかない。そこにはキャリアアップや自由な時間で働きたいといったキラキラしたキャッチコピーとは無縁の現実があります。派遣という働き方は本当に「自由」で「多様性のある」働き方なのでしょうか。

雇用安定措置は一定の効果があった?

労政審の調査では派遣先企業に直接雇用された人は希望者の半数で対象者全体の13%程度でした。ですが直接雇用を希望している派遣労働者がそもそも26%だったため、半数は直接雇用が叶ったという結果になり「一定の効果があった」という取りまとめを出したようです。

派遣かふぇの調査では、パートの待遇を提示された、派遣先が直接雇用したくないと言っている、派遣会社への支払いが高いため直接雇用できない等の理由を伝えられ無期転換を希望したという声が集まりました。

労政審の調査では無期転換を希望した派遣社員が6割を超えていますが、本来は直接雇用を希望したが仕方なく無期転換した人の存在が抜け落ちています。直接雇用につながった人が1割にも関わらず「一定の成果があった」という結論につながっており、実態を反映しているとは言えない内容になっています。

の調査結果を審議する議事録を読んだところ、この結果を受けて委員から「派遣労働者は必ずしも直接雇用を望んでいるわけではないのではないか」という意見が出ていました。

この中間整理がきっかけとなり派遣かふぇでも同様のアンケートを行い、ハケン白書を作ることが出来ました。
ハケン白書2021はゲストで参加してくださっている立憲民主党の石橋みちひろ参議院議員を通して厚労省に提出しました。


今までは、派遣労働者の実態を調査しまとめている団体が無いため厚労省発表の資料や派遣会社のアンケートが派遣社員の本音として独り歩きしており、それをモヤモヤした気持ちで眺めているだけでしたが、同様のアンケートを行うことで「ちょっと待った!」という意思表示をすることが出来ました。ご協力いただいた皆様に改めて感謝申し上げます。

引き続き派遣かふぇの開催とアンケート、それをまとめたハケン白書の発行を継続していきたいと考えております。それには派遣で働くみなさまの協力が必須です。twitterアンケートは手軽で拡散出来ますが、項目が4つのみでコメントに140字の文字制限と公開されるリスクがあり、googleフォームを使ったアンケートを実施するか思案中です。派遣かふぇの開催やアンケート実施の際には、派遣かふぇのtwitter アカウントより告知をいたします。フォローして頂くとアンケートの通知を受け取ることが出来ます。


1人でも多くのみなさんのアンケートへの回答、特に当事者の思いが詰まった「ハケンの声」を頂けたら幸いです。

当事者の声はアンケート結果の数字には見えない背景や心情を見せてくれます。官僚や議員のみなさんが想像もしていない生の声は大きな力になります。ぜひみなさんの気持ちを聞かせてください。引き続きのご支援をよろしくお願い致します。

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