派遣切りについて国会質疑がありました

第8回派遣かふぇについても国会で取り上げられました

7月27日に開催された第8回派遣かふぇ。加藤大臣と厚労省需給調整課長などをお招きしたのですが、先日8月20日の厚生労働委員会のなかで、派遣労働についての質疑があり、そのなかで派遣かふぇについて話をして頂けました。文字起こしをお届けします

Youtubeに字幕付きの動画を上げたので、動画で見たい方はこちらからどうぞ

まずはコロナの影響について質疑

石橋みちひろ議員より、コロナの影響について質問がありました。
石橋議員の調査によると年収300万円以下の所得層世帯では前年比10%、20%のマイナスだそうです。
年収600万円世帯でも20%マイナスは厳しそうですが、300万円世帯の20%マイナスは命に係わるレベルかもしれません。

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コロナによる働くもの、失業、そして様々な本当に困窮状態に陥ってしまった方々、なんとしても支えていかなければいけない、という観点でいくつか質問していきたいと思います

まず今直近のトレンド含めて、このコロナの労働者への影響について、大臣としてどのように傾向、分析、ちゃんと客観的なデータ、指標、
現場からの声、影響を受けておられる方々の声、こういったことにもしっかりふまえたうえで、分析し把握をされそして的確な指示を行ってられるのでしょうか

私が分析しておりますと、やはり総務省の家計調査など見ても低所得世帯の方々、特に年収300万円以下の所得層世帯の方々が対前年比の収入で10%、20%以上のマイナスが出ています。 明らかに低所得の世帯の方々に影響が大きい。それは、やはり非正規雇用の方々だったり、様々な困難を抱えている人だったり、社会的に弱い立場にいる方々に最もこのコロナの影響が及んでいることが統計上も出ている。
だからこそ、そこにきちんとした対応をしていかないとけないと考えますが、大臣の認識をお伺いします。

加藤大臣の答弁

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まずは雇用という意味におきましては1回1回説明いたしませんけど、総務省の労働力調査のもの毎月勤労統計等々から現在の状況分析をさせて頂いております。失業率については、6月は0.1ポイント低下をして2.8%という水準でありますけど、勤め先や事業の都合によって離職者が5カ月連続で増加になっているということであります。

また、私共が労働局を通じて集めております解雇等見込み労働者数も月々1万件、1万人を超える数が出てきております。必ずしも増加幅が拡大をしてるわけじゃありませんけれども利用していく必要があると思います
雇用者数(?)については正規雇用については6月はマイナスがプラスに転じていますが、非正規の方については、6月はさらに前年同月で言えば104万人の減少ということで減少幅が拡大をしております

休業者については4月5月と減少し前年同月差では90万人の増加と縮小はしています

ん?休業者は3月に比べて増加幅が減少したけど、前年の6月より90万人多いってことですかね。

また2か月連続で見れば約半分の方が休業を継続し約半分の方が従業員としてまた元の仕事に戻り、失業になった方は約2%に留まっているという傾向は引き続いているという風に思います

休業からの失業は少ないようで良かった。でも、この2%ってきっと多分非正規労働者ですよね。。。

また賃金については現金給与総額そのものはマイナスとなっておりますけども特に所定外給与が大きく減少しているということでありましたが、今の現下の情勢、そして今おっしゃった家計調査については雇用者だけじゃなくて社会全体の状況が反映されているという風に思いますけれども、雇用面から申し上げれば、さらに雇用は経済全体に動きから比べると遅効的に起きてくる言うことをこの前申し上げさせていただきました。したがってそういった状況をしっかり踏まえて、また新型コロナ感染症がここに来てまた新規の感染も増えてきております。こうしたことが雇用に与える影響も留意していく必要があると言う風に思います。

また特に、正規の関係で言えば6月9月ひとつの契約更改の時期でもございますからこの9月の契約更改ということにおいて解雇等が、あるいは契約更改がしっかり行われていける、そういったことに対する対応も重ねて行っていかなければならないように考えております

石橋議員の質疑

かねてから、なかなか厚生労働省、総務省もそうなんですが、統計が実態を反映できていないのではないか。すごくその遅れて物事が出てくる、的確な政策をタイムリーに打てないのではないか。あのそういう指摘をさせて頂いてきました。今のコロナ下でも残念ながらそれが見えてしまっているのではないかと思えてなりません。特に派遣労働者の問題についてちょっと確認がた取り上げさせて頂きます

先日大臣ありがとうございました
私が当事者の方々と継続的に取り組んでいる派遣かふぇ、大臣約束を守っていただいて、出席をいただいて、派遣の当事者の方々の切実な訴え、生の声を聞いて頂きました。色々思いを共有していただいた現実を共有していただいたと思います

石橋事務所の全面協力で実現した加藤大臣の出席。感謝感謝です。

そこで大臣、6月に大臣直接、また派遣事業者に要請を出された。そしてまぁ派遣事業者からも報告という形で回答もあったわけですが、ここにきて、
大手の派遣事業者が露骨にあからさまに大臣の要請を無視しています
「知らない」と「聞いてない」と「関係ない」と大臣その報告は届いてるんでしょうか。

厚労省からお知らせが出ていました

雇用調整助成金を活用して派遣労働者の雇用の維持をお願いします

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通達を無視した派遣切りが起きている

特に最大手の一つスタッフサービス露骨に派遣切りをやっています
「保証もしない」と言っているようです
今の現下の医療体制の中で大変重要な医師、薬剤師派遣の最大手、エムスリーキャリア、露骨に派遣切りをやっておられるようです
報告を受けています
大臣、こういった具体的な大臣報告の、行政の無視の事例
加藤大臣、今お聞きになっています?

加藤厚労大臣の答弁

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石橋委員からもお話をいただきましたように、先般、実際派遣で働いてる方々から直接話を聞く機会を頂戴いたしましたこと、改めて感謝申し上げたいという風に思います

こちらこそ来ていただきありがとうございました

その上で、現在、先ほどもちょっと派遣の話を申し上げさせていただきましたけれども、そうした切り替えの時期ということも念頭に置きながらですね
派遣団体のトップに対して、あるいは個別の派遣会社に対しては、都道府県の労働局から電話や訪問等についてですね、状況の把握そして必要な指導、又は雇用調整金を活用した雇用維持、こうしたことを求めてきてるところであります。
あの業界団体から聴取した中での話としてはですね、契約派遣契約の継続や新たな派遣先の確保に現時点で概ね雇用契約の維持ができているとの報告は頂いております
また総務省労働局調査によると6月の派遣社員数は142万人ということで、前月比でマクロで見ればプラマイゼロパーセントとなってるとこであります

一方で今ご指摘のような、派遣労働者のいわば雇止め等が生じているとの情報には我々も接しているところであります
個々について一言ずつ申し上げるわけには参りませんけれども、まあそうした情報については、都道府県労働局において派遣会社に対して雇用安定措置の適切な履行雇用調整助成金の活用法雇用維持など必要な指導等の
実施を行っていきたいと考えてもおります。
特に製造業の動向、そしてそこから絡んでくる製造系の派遣の状況ってのは、非常に我々も危惧をしてるとこであります。
集中的な指導監督を実施するよう各都道府県労働局にも指示をさせていただきました。

あのさきほど申し上げましたが、次回の派遣契約の更新が9月末に集中する
ということでございますんで、そういったことも踏まえながら業界団体あるいは個別の派遣会社に対してですね、雇用維持等に対して改めて徹底をお願いし可能な限りの雇用維持を求めていきたい、というふうに考えております

6月の雇用統計の話を8月にする。6月の派遣切りは6月の雇用統計には入らない。6月の派遣切りの統計が出るのは9月。経済よりも雇用は遅く出るということは6月よりも9月の派遣切りの方が影響が大きい。その統計が出るのは12月。その対応を取るのは年明け。

でも9月で派遣切りされた人は10月以降の収入を絶たれる。失業保険は元の給与より少ない。正社員はもとより派遣の案件も減っている。雇用に対する対策は最悪の事態を想定して打っていかないと困窮者が出ますね。

石橋議員の質疑

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大臣はそう言われますが、実態として残念ながら先ほど申し上げたように、例えばスタッフサービス、雇い止め行った。それに対する労働者側からの「なんとか雇用をつないで休業手当払ってくれないか」そういう要請に対して『国や派遣協会から「こうしなさい」という指示は降りてきてない、雇調金の受給の基準を満たさない。コロナによる雇い止めに対して助成金を利用して休業補償なんて考えてない』堂々と言っているそうです

先ほどの引用したエムスリーキャリア、これも雇い止め、これはあの登録型の派遣労働者のかたです。「派遣契約が更新されず期間満了により終了する場合には原則としてこれを前提とする派遣契約も更新されずに終了するとの考えが一般的なんだ」
登録型派遣における雇止めの正当性を主張する一方で、コロナ理由の派遣切りに対する救済についても「雇い止めは正当なんだから対応なんかしないんだ。厚労大臣からの要請は受け入れられないんだ」堂々と代理人弁護士が言っているそうです

契約が終われば派遣会社との契約も切れる
それが派遣。登録型派遣でもお願いすれば次を探してくれますが、それは派遣労働者が大人しくしている場合で、何かを主張すれば「派遣先との契約が切れれば雇用契約は終わりなんだから面倒を見る義理はない」と捨てられる。そういう法律ですから。改めて派遣労働者って守られてないんだなと感じます。

大臣、もし大臣が本気で、本気で、派遣労働者、何としても雇い止めを防ぐ、雇用をつなぐ、生活をつなぐ、今回新たに創設された休業者給付支援金、これの支給に道を開くんだ
のであればこうやって堂々と派遣切りを正当化して雇調金も使わない、手当も払わない、雇用も繋がないって言ってる大手。断固取り締まるべきじゃですか?それによって大臣の本気度がわかるわけです。
どこまで本気で雇用をつなごうとされているのか。

大臣、ぜひ具体的な事例、また後ほど担当の厚労省の皆さんとやらせていただきますので、大臣の指示で、もしもちゃんとした要請に従って頂かなければ、企業名公表、さらにはさまざまな対応含めて断固した対応を取ると大臣、約束していただけませんか

加藤大臣の答弁

あの私の所にも個々の事案についても必要に応じた報告もございます。今のはその一つの働く方々からのお話だという風に思いますが、いずれにしてもあの個々の中身について言及するつもりはありませんけれども、そうした事案があればですね、先ほど申し上げましたように必要な指導等しっかりと実施し、そうした、そこに違法があればそれを是正をしていく。あるいは、これまでお願いしてくというベースであればしっかりと要請をしていく、そういった対応取っていきたいと思っておりますんで、もし個別の情報があれば頂戴できればと思います

石橋議員の質疑

大臣、そう言ってただけましたので、また具体的な事例共有させて頂きながら、厚労省の積極的な対応を促していきたいと思いますので対応よろしくお願いします

伝えてくれる議員さんがいます

派遣切りについて派遣労働者の待遇について、労働局や労働組合を通して厚労省に情報が入っているのだろうと思いますが、そこまで辿りつけない、そこまでするエネルギーが無いけど辛い思いをしている。派遣かふぇでは、今後もそんな声を届ける場を作り続けたいと思います。
そして派遣労働者と同じ思いで「どうにかしろ!」と訴えてくれる議員さんがいることを知ってもらえたら嬉しいです。

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